ガロア理論の基本定理までそれなりに分かったので、具体的なガロア拡大ガロア群を求めてみよう!!と思ったんですが、これもなかなか容易ではありませんね。


わりと初等的な例。たぶんどこかで昔読んだのを思い出しただけなんですが。
cos40°、cos80°、cos160°という3つの実数は、ある整数係数3次多項式の根になります。じっさい、角度を3倍にすると120°、240°、480°となり、これらのcosはすべて-1/2になります。そこで、三倍角の公式から、3数を根としてもつような多項式を作ることができます。
具体的には、8x^3-6x+1がそれに当たります(ぼくの計算が合っていれば)。ちょっと考えればこれはQ上の既約多項式だとわかります。
体拡大Q(cos40°)/Qを考えます。倍角の公式を使うと、cos80°とcos160°はいずれもcos40°の多項式で表せることがわかります。したがって、Q(cos40°)は8x^3-6x+1の根をすべてふくみます。
このことから、Q(cos40°)/Qは正規拡大になることがわかりました(標数0なのでガロア拡大でもある)。拡大次数[Q(cos40°):Q]=3となり、そのガロア群は、Gal(Q(cos40°)/Q)=Z/3Zとなります。


もう少し一般的にどうなるかはよく分かりません。解の公式の再発明をする必要があるのかもしれない。