差積

「置換*1を互換*2の積*3で表したとき、出てくる互換の個数を2で割ったあまりは一定である」という定理の証明に、差積という式が現れます。n変数多項式で、
Π(x_i-x_j) (1≦i<j≦nの積)
というやつです。これに互換をかますと±が反対になるので、互換の個数の偶奇は一定であるいうことがいえます。


なのですが、勉強会のときに、「なんでこんな式がわいてきたの?」という反応が出ました。たしかに作為的な式ですし、(そのときの話の流れからは)多項式を持ち出すのも突飛な気がしました。
で、そのときふと気がついたのが、この式を2乗すると「判別式」になる、ということ。方程式の解について研究していて群論が出てきたのなら、差積を導入するのは全く不自然ではありません。
……と思ったのですが、歴史的にはどうなのでしょうか。気になるところです。

*1:集合{1,2,3...n}から自身への全単射

*2:2つの数だけを入れ換えるような置換のこと

*3:ここでは写像の合成