ベートーベン ピアノソナタ第22番

第一楽章:In Tempo d'un Menuetto
第二楽章:Allegretto


ベートーベンのピアノソナタは32曲ありますが、その中でももっとも影が薄いのがこの曲ではないでしょうか。
前後のソナタが『ワルトシュタイン』『熱情』なので、それに隠れてしまっているように思えます。
最初の主題こそ穏やかですが、激しい部分もあり弾いていて楽しい曲です。


一楽章は「メヌエットのテンポで」とありますが、自由なロンド形式でしょうか。
第一主題は穏やかなメロディで、ゆったりとしています。それに対し第二主題は激しく、両手ともにオクターブユニゾンで演奏されます。
この二つの主題が交互に現れ、最後にコーダがきて終わります。コーダの最後にある和音連打が印象的です。


二楽章は無窮動風ですね。三部形式ですが、展開部が非常に長いという少し変わった構成です。
はじめの二小節の上昇音形が唯一の主題で、全曲を通して使われます。
展開部では転調に次ぐ転調がなされ、再現部ではかなり構成が変わっています。コーダで速度を増し、一気に終わります。
多くの部分が二声でかかれていますね。面白い曲だとおもいます。