ショスタコーヴィチ 交響曲15番

紹介文を書こうとしたけどなかなか難しい。
一楽章のおどけた陽気さと、二楽章以降の暗さが対照的で面白い曲だと思います。
また、全曲を通して打楽器の使い方がとても面白いですね。


一楽章(Allegretto)の、めまぐるしい場面展開は絶品です。
ロッシーニウィリアム・テル」からの引用が流れたかと思うと、3,4,5連符の交じり合う現代的な音楽になったりして、とてもギャップが激しいのですが、それをまったく感じさせないあたりがすごいと思います。
二楽章(Adagio-Largo)は一転して内省的な楽章ですね。チェロの独奏など、ちょっと協奏曲*1風な場面もあります。クライマックスは大迫力です。
三楽章(Allegretto)は、不気味なスケルツォになっています。空虚和音にのせて流れる、12音風の主題が面白いですね。
この楽章の途中に、トロンボーングリッサンドで下がっていくところがありまして、この部分のちょっと情けない感じが大好きです。派手な(?)ファンファーレの後なので、なおさらですね。
四楽章(Adagio-Allegretto)は、これまた暗めの楽章です。最初からいきなりワーグナーニーベルングの指輪」からの引用がなされています。これは続くメロディの中にも織り込んであったりして、かなり凝っていると思います。
中間部は長いパッサカリアです。次第に盛り上がっていく感じがいいですね。
コーダは独特で、とても面白いです。弦楽器がイ長調の主和音を伸ばし続け、打楽器が伴奏をする中で、ピッコロやシロフォンが旋律を演奏します。一楽章冒頭の主題も聞こえてきて、不思議な雰囲気で静かに終わります。


うーむ、紹介を書くのは難しいなぁ。

*1:チェロ協奏曲の二番に少し似ている気がします