昨日の解説その2(十分条件について・準備)

…じつは十分なのです。
次に、上の条件を満たすa,bに対し、動き方をくりかえしてPは全てのマスを通ることを示しましょう。
さきに述べた通り、(1,0)を通ることだけを示せば十分なので、それを示します。


と、その前にいくつか準備をします。使うのは次の二つの命題です。
準備1:自然数a,bについて、a+bが奇数なら、a^2+b~2は奇数。
準備2:自然数a,bについて、a,bが互いに素なら、ax+by=k(kは整数)を満たす整数(x,y)が存在する。


1は特に問題ないでしょう。偶数の二乗は偶数、奇数の二乗は奇数です。
2ですが、これはk=1のときを考えて、それを何倍加すれば良い事は明らかだと思います。
ax+by=1⇔ax=1-by⇔x=(1-by)/a*1ですね。
ここで、byをaで割ったときのあまりが1になれば、xは整数になります。
そのようにyが取れることを示します。


y=0,1,2,3,...a-1に対して、byをaで割った余りは全て異なることをまず示します。
y=0のとき、byはaで割りれます。
aとbが互いに素なので、y=1,2,...a-1のとき、byはaで割り切れません。
このとき、ある整数iとj(1≦i<j≦a-1)があって、biとbjをそれぞれaで割った余りが等しいとすると、b(i-j)がaで割り切れることになります。
これは、「y=1,2,...a-1のとき、byはaで割り切れない」ということに反しますので、等しい余りはない、と分かります。
また、aで割った余りはa種類しかないこととあわせると、0,b,2b,...(a-1)bをaで割った余りのなかに、0,1,2,3,...a-1が一回ずつ出てくることが分かりますね。


よって、byをaで割ったとき余りが1になるような整数yが存在するので、このときax+by=1となります。
あとはこれをk倍すれば、a(kx)+b(ky)=kとなり、与えられた式を満たす整数が存在することが分かります。




そろそろ疲れたんで最終的な証明(?)はまた次回。お楽しみに。

*1:a≠0より